輸入通関の際の税金の計算方法についてお話しします。
課税価格に対して、税金を計算していきます。
関税→内国消費税→消費税→地方消費税の順番にかけていきます
関税
関税には有税と無税があります。
そして、有税の中でも課税価格の何%という従価税と重量、個数などにも続いて計算する従量税、どちらも組み合わさった従価従量税があります。
従価税
課税価格に割合をかけて計算します。
例)課税価格を¥1,234,567.-/関税率を3.9%とします。
関税の算出方法は¥1,000未満を切り捨てて計算します。
¥1,234,000×3.9%=¥48,126となります。
実際払う税金は¥100未満を切り捨てるので、¥48,100.-となります。
※複数欄ある場合は端数処理する前に全欄の合計をした後に端数処理します。
これは他の項目についても同じです。
重量税
個数に掛かる場合は元が整数なのであまり気にする必要はないでしょうが、重量に掛かる場合は、どこまでの数量で計算するべきか悩むところだと思います。
通関士試験の実務でも問われると思うので、覚えておきましょう。
例)重量1,234.5678㎏/関税率¥13.2/㎏
注目するのは関税率の整数の桁数です。
13.2は十の位までで、整数の位は2桁、課税数量は整数位までになります。
1,234㎏×¥13.2/㎏=¥16,288
実際払う税金は¥100未満を切り捨てるので、¥16,200.-となります。
税率が、円以上n桁の場合小数点以下(n-2)位までが課税標準となり、それ未満話切り捨てと決められています。(2桁までは整数位)
税率が¥113.2/㎏だった場合課税標準は1,234.5㎏
税率が¥1,113.2/㎏だった場合課税標準は1,234.56㎏
という感じです。
消費税と地方消費税
2021年現在、一般的な消費税は10%、食品などの軽減税率8%となっています。
10%の内訳は消費税7.8%地方消費税2.2%(消費税の22/78)
8%の内訳は消費税6.24%地方消費税1.76%(消費税の22/78)
最初の例の続きを計算してみましょう。消費税10%とします
例)課税価格を¥1,234,567.-/関税率を3.9%とします。
関税の算出方法は¥1,000未満を切り捨てて計算します。
¥1,234,000×3.9%=¥48,126となります。
実際払う税金は¥100未満を切り捨てるので、¥48,100.-となります。
注意することは関税に対しても消費税はかかるということです。
¥1,234,567+関税¥48,100.-=¥1,282,667消費税の課税価格
関税同様に¥1,000未満を切り捨てて計算します。
¥1,282,000×7.8%=¥99,996
実際払う税金は¥100未満を切り捨てるので、¥99,900.-となります。
続けて地方消費税ですが、消費税に対して計算するので、課税価格は¥99,900です。
¥99,900×22/78=¥28,176
実際払う税金は¥100未満を切り捨てるので、¥28,100.-となります。
注意
複数欄ある場合は端数処理する前に全欄の合計をした後に端数処理します。
途中の計算上は欄毎に端数処理して行いますが、申告全体としては端数処理されていないものの合計をしてから端数処理を行います。勘違いしていると数百円の誤差が生じます。
現在ほとんど申告はNACCSというシステムで行うため、この税金の計算をちゃんと理解していない人も多いかもしれません。
通関士試験では自分で計算する必要があるので、ちゃんと覚えておきましょう。
実務上では修正申告、更正請求などの際に計算することがあります。
ちょっと税金の概算知りたいから教えて、なんて言われた時にさっと計算できると信頼も得られるかも。
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